【彼と彼のこと】
pixiv削除したやつその②
あまりにもマンガが上手くまとまらないときは文章を書いたりします。
文章(もどき)も楽しいですね。
マンガは時間がかかってねぇ…
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「そのシャツ、胸開き過ぎじゃない?」 夕食も終わり湯浴みの時間も近くなると、食堂は人がいなくなりまったりと個人的な話をするのには丁度いい。 今日は二人とも非番で私服だから余計そう感じるんだろうと思いつつ、兵団の濃い煮詰まったコーヒーを人類最強に手渡し隣に腰かけると、わたしの言葉にぽかんとして、そうか?と声もなく首を傾げた。 「…別に胸もねぇし…よくねぇか?」 訝しげに続く言葉に、大きく襟ぐりの開いた襟元の、少し奥に見える赤い跡をシャツの上から突つく。 「俺のモノだって言って回りたいんだろうけど、つけるならもっとがっつり見えるところに付けないとねえ」 そう言うとリヴァイは何を言われたのか気づいて、近しい人間にしか分からない程度に肌が染まり恥ずかしいのか自然と俯いてしまう。 その耳の後ろにも小さく赤い跡。 おっさんマジどうなんだよ全方向にわかりづらい牽制とか落ち着け!と呆れていたら(心の中で)、小さくリヴァイが唸る。 「エルヴィンには言うが、なんか…」 「…なんか、何?」 「……、俺も、途中で訳がわからなく…」 そう言った顔は途方に暮れて、でも愛されている嬉しさに溢れてた。 花が咲くみたいに表情が柔らかくなった(無表情だけど)。どれだけ深く思ってるか言葉がなくても判るくらいに、エルヴィンが好きなんだね? 「…ご馳走様」 「…そ、ういうわけじゃ…」 なんというかお腹いっぱいになって席を立つと、リヴァイが否定を返すのに手をひらりと振り踵を返す。 悔しいような、ほっとしたような複雑な気持ち。 その後廊下ですれ違ったエルヴィンには八つ当たり気味に、早くもげてしまえって言ってやった。